[●REC]

ヒトが繋ぐ、時代を紡ぐ

他の追随を許さない唯一無二のノウハウで
業界の先頭を走る

株式会社薬事法ドットコム
社主
林田
HAYASHIDA_MANABU

テクノロジーの進化で日々新しい商品が生まれるヘルスケア業界。新しいものには規制がつきもので、なにか一つ宣伝するにも法律の制限が厳しくついてまわる。株式会社薬事法ドットコムは、そんなヘルスケア業界におけるコンサルティングのリーディングカンパニーだ。同社にしかできない「リーガルマーケティング」や「攻めと守りのコンサルティング」とは。社主の林田氏に、設立の経緯からサービスの特徴、唯一無二のビジネスでリードし続ける姿勢について聞いた。

マーケティングを実践で学んだ法律家

法律、マーケティング、医療と3つの分野の専門知識を有する林田氏だが、初めから幅広い知見を持っているわけではない。キャリアのスタートは法学の大学教授だ。しかし、企業向けに行っていた法律セミナーに参加していた株式会社小林製薬から、「あなたの話が一番面白かったので依頼したい」とラブコールを受け、1995年、小林製薬の健康食品通販プロジェクトに参画することになる。

林田氏は、小林製薬で健康食品について実務サイドから学んだうえで、企業向けのセミナーを開くようになった。そのセミナーで次に出会ったのは、健康食品大手の株式会社やずやだ。

「広告に使いたい訴求は多々あるのに、薬事法(*現在は薬機法)の面から何をどこまで訴求していいのか分からず、萎縮してしまう」と打ち明けられ、林田氏はやずやのすべての広告に目を通した。膨大な広告チェックのなかで、実践的なマーケティングの知識を身につけ、「法律をクリアしつつ広告効果の出る表現」を現場で具体的に考え続けたという。その結果、やずやは業績を大きく伸ばし今に至る。

企業との出会いと、圧倒的な実践経験。そこから林田氏は独自のノウハウを身につけ、薬事法ドットコムを起業した。

法律事務所も広告代理店も真似できないコンサルティング

薬事法ドットコムは広告チェックから臨床試験まで、健康医療ビジネスを一気通貫で支援する。同社の「攻めと守りのコンサルティング」とはなにか、具体例を交えて林田氏は語った。

守りのコンサルでは、広告チェックやエビデンス作り、行政との情報連携などが強みだ。「たとえば、あるボディメイクジムからトレーニングの効果がビフォーアフターで見えるCMを作りたいと相談を受け、その臨床試験ができるようにラボを設立しました。結果、インパクトのあるCMが功を奏し、当初2店舗だったジムは、100店舗以上に拡大しました」と話す。

攻めのコンサルでは、同社にしかできない「リーガルマーケティング」が強みだ。コロナ禍における在宅でのPCR検査サービスも事例の一つである。「マーケティングの観点からニーズは明らかでした。しかしそれをどう実現させるか、法の観点から仕組みを考え構築した結果、そのクリニックは1年間で280億円の売り上げを伸ばしました」と語った。

通常は法律事務所で臨床試験を行うことも、広告代理店で法律の専門的なチェックをすることもできない。幅広い知見と実行力に裏付けされた、唯一無二のサービスといえよう。

自分にしかできないビジネスを

他者の追随を許さず、健康医療ビジネスコンサルティングのトップを走っている薬事法ドットコム。ユニークかつプロフェッショナルなその業務から、模倣する企業さえも「一切ないです」とのこと。経営にあたり、「人のやらないことをやる」を信条にしている理由を林田氏は語った。

「もともとそういうキャラクターだったからかもしれません。協調性が求められるゴルフより、ひとり黙々と取り組める水泳が好きです。性格的に人を追いかけて一緒になにかやることがなかったんです」と笑みをこぼす。

また、膨大な数の企業やマーケティング実例を見て思う部分もあったという。「新しい商品やサービスができても、すぐ真似されてしまうものです。そして、価格競争になり潰れていってしまうというパターンを何度も見てきました。やっぱり、真似できないものを確立しなければならないと感じましたね」と語った。

業績は好調なためM&Aなどの相談もよくあるが、業務内容を説明すると、独自性と専門性が高すぎて手を引いていくという。林田氏にしかできないコンサルティングは、今後も業界を単独でけん引していくだろう。

今後の展開として、再生医療などの最先端分野に注力していきたいという。薬事法ドットコムは、日本での再生医療の規制が始まった2014年当初から、再生医療の審査委員会を立ち上げている。「厚生労働省の認可が下りたのは7番目でしたが、1~6番目はすべて大学病院でした。民間企業では初めて自社で審査委員会をもつかたちとなり、そこから再生医療分野の相談を受けるようになりましたね」と話した。

当初、再生医療はテニス肘、ゴルフ肘といった炎症の治療などでの活用が多かったが、今では若返り、育毛、EDなど幅広く広がりを見せ、一般的にも浸透してきている。今後も大規模な市場になっていくだろう。林田氏は「混沌とした最先端分野にこそ参入する余地がある」という。「ニーズがあり、法律の規制的にクリアできる分野を切り開いていくこと、それが進むべき道だと思っています」と展望を語った。

ビジネス成功の秘訣は、真似できないことをするか、一つの分野で圧倒的に突出するか。林田氏は今後も唯一無二のビジネスを経営の軸にして、ヘルスケア業界のリーダーシップを取っていく。

林田学

RECORD

株式会社薬事法ドットコム
社主林田学
東京大学法科大学院卒。1985年東京大学法学博士取得。大学教授、弁護士を経て2009年に薬事法ドットコムを設立。ハーバード大学メディカルスクール・オンラインコースで医学単位取得。元薬事法改正委員会委員を務めるなど政府系委員を歴任。コンサル経験600社以上。ボディメイクジムをコンサルし、4年で時価総額1,000億円超をサポートする等、マーケティングにも精通している。